政府・日銀、24年ぶり円買い介入 円一時140円台に上昇
政府・日銀は22日、1998年6月以来、約24年ぶりとなる円買い・ドル売りの為替介入に踏み切った。財務省の神田真人財務官が表明した。財務官は「足元の為替市場では投機的な動きも背景に、急速で一方的な動きが見られている」と指摘し「こうした過度な変動を憂慮し、さきほど断固たる措置に踏み切ったところだ」
日米の金融政策の違いから円安・ドル高に拍車がかかっていた。輸入物価が高騰して家計の負担が増しているため、為替介入で急激な円安を阻止する姿勢を示した。介入を受け、円相場は一時1ドル=140円台まで上昇した。
米連邦準備理事会(FRB)は21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で大幅な利上げを続ける方針を示した。日銀は22日まで開いた金融政策決定会合で金融緩和の維持を決めた。今後も日米の金利差が開くとの観測から金利の高いドルを買う動きが強まり、円相場は一時、24年ぶりとなる1ドル=145円台をつけた。
3月初めまで1ドル=115円程度で安定していた円相場は同月の途中から円安に振れた。半年あまりで30円程度も円安が進んだことになる。
ロシアによるウクライナ侵攻で原油や天然ガスの国際価格が上がった。輸入に頼る日本の企業や家計を円安がさらに圧迫するとの懸念から介入に踏み切ったとみられる。
効果は限定的との見方がある。金利差を背景に円安・ドル高になりやすい構造は変わらない。円買い・ドル売り介入は手持ちのドルを売る必要があり、外貨準備の範囲内でしか実施できない。大規模な介入を繰り返すのは難しい。
不良債権問題などで日本経済が低迷していた1998年6月も1ドル=140円台まで円安が進んだ。歯止めをかけようと日米で協調介入に踏み切った。円安に誘導する円売り・ドル買い介入は日本が単独で実施した11年11月が最後だった。米国の景気不安や欧州の信用不安などを背景に直前の10月末に1ドル=75円32銭の史上最高値をつけた。
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